仕事の流儀
翻訳者ってのは他人の訳文にケチをつけたくなるものである。洋書を読むのが面倒だから訳本を買ってるにもかかわらず、やれ翻訳調だとか、ここは意味不明だとか難癖をつけたくなるものだ。問題があってもサラッと読み飛ばせばいいのにね。
「脳にいいこと」だけをやりなさい!は脳科学者の茂木健一郎先生が翻訳された本です。この原題はHappy for No Reasonなのに何でこんな題名になるんだと文句を言いたい人もいるかもしれない。だが、説得力があるじゃないか。本の題名なんて、本が売れたらそれでいいじゃないか。ビジネスだぞ。
茂木氏は国税局の税務調査を受け3年間で約4億円の申告漏れを指摘された。ほらみろ、脳にいいこと「だけ」やってるじゃないか。本を読むだけなら誰でもできるが、それを実行できる人は少ない。自己啓発本を読んでも人間が変わらないのは、読んでるだけで実行が伴わないからだ。ところが茂木先生は違う。「脳にいいこと」だけやっている。やりたくないことはやらない。すごいじゃないか。
他人にあれこれ言うのは簡単だが、自分はどうなんだ!ところが茂木先生はまず自分が実践している。素晴らしい。理系離れを止めるためにあれこれ国がやったって、金融系で働く人のボーナスが1000万円とか聞いたら、やっぱり理系なんか行きたくなくなるだろ。ところが健一郎先生は3年間で4億円だ。なかなかこれだけ申告漏れしたくても普通の人はできんぞ。脳科学者になったら年収1億だ。そしたら理系希望者が増えるだろう。
茂木氏は既に無申告分の納税は済ませたらしい。いいじゃないか。政治家だったら、やれ秘書がやったことだとか、事務所が勝手にやったとか言うが、茂木氏は全く弁解なしだ。すがすがしいじゃないか。これこそ日本男児だ。草食系とかどうとかと言う前に日本男児の心意気とはこういうことだろう。その税金は道路整備や医療などに使われる。国のために一生懸命働いて、社会貢献する。金持ちが偉いと決め付けるわけじゃないが、やっぱ沢山税金払っている人は偉いよね。尊敬できるよ。殺伐としたニュースが多い中で、清涼感あふれる報道だ。来年は脳科学で村おこしとか言う地域も増えてくるかもしれないぞ。著書の印税やテレビ出演料を一切申告してないというと、吉本の芸人だったら「こいつ、バカか」という所だが、茂木さんは東京大学理学部と法学部を卒業してるから、その人に対して馬鹿呼ばわりできる人は日本広しといえどもあまりいないよね。立派じゃないか。人生、こうあるべき。「プロフェッショナル 仕事の流儀」。やるなー、軸がぶれないというか、信念持ってやってる人はやっぱ違う。うん。わたしは感動した。茂木氏に比べると、伊藤正男なんて知名度は全然低いよね。


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